次郎柿(治郎柿)
- ◎おいしい見分け方
- ヘタの近くまで色付いていて、橙色が鮮やかなもの、持つとずっしりと重みのあるもの、果実の堅さが均一なものが、おいしい柿の証拠です。また、ヘタの緑色が鮮やかなものや、ヘタと果実の間に隙間のないものなども、おいしい柿を選ぶポイントです。
特に、ヘタと果実の間に隙間ができる現象は「ヘタ隙き」と言われています。次郎柿のように平らな形をした柿を選ぶときには、「ヘタ隙き」の柿は避けましょう。その隙間から虫が入ると、熟したような色に変色して、果肉が軟らかくなってしまいます。
- ◎保存方法
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柿は追熟するため、一週間もしないうちに軟らかくなってしまいます。追熟を抑えて保存するコツは、まずティッシュペーパーをヘタの大きさになるまで折り畳み、水を含ませて蓋をするようにヘタの上へ置きます。そのままポリ袋やラップで覆い、ヘタの部分を下にして冷蔵庫の野菜室へ保存します。ただし、濡れたティッシュペーパーが実の部分に触れないように注意してください。そのまま長時間置くと、実が変色したり、味が変化したりしてしまうのでご注意ください。
※この方法は、NHKのTV番組「ためしてガッテン」で紹介されていたものです。
旬の時期カレンダー
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次郎柿(治郎柿) |
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農産物のご購入
※販売品目は、時期や店舗により異なります。詳しくは、各店舗へお問い合わせください。
おいしい食べ方
軟らかくなってしまった柿は、ミキサーにかけるといいです。ヨーグルトに入れたり、牛乳と混ぜたりするとおいしくいただけます。
また、ジャムもおすすめです。ミキサーにかけた柿の半分の重さの砂糖と一緒に鍋に入れ、ゆっくり火にかけます。とろみが出てきたらレモン汁を少し入れて完成です。
この他にも、オリーブオイルと塩を混ぜて作るドレッシングもおすすめです。
豆知識
- 由来
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柿はカキノキ科の落葉樹で、名前の由来は諸説ありますが、実が赤くなることから「アカキ」と呼ばれていたものが、「カキ」になったという説が一般的です。
日本における柿の歴史については、東アジア温帯固有の果樹で揚子江流域に野生し、日本に輸入されて古くから栽培されていたという説と、元々日本に自生していて、その自生種から品種改良がなされて現在のような形になったという説があります。
- 特徴
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柿は高木で10m程度までになり、6月頃に黄色の四弁の雄花と雌花をつけ、果実を生食したり、干し柿にして食べます。
柿の品種は1000種類以上あるともいわれ、甘柿と渋柿に大きく分けられます。
主な品種は次の通りです。
●次郎
甘柿の一種で、四角ばった形で、堅めの実が特徴です。
●富有
柿の生産量の60%を占める甘柿の品種です。濃い橙色で丸みのある形をしており、九州から新潟県までの広い地域で生産されています。
●西村早生
甘柿にも渋柿にもなる品種で、淡い橙色の外観が特徴です。味は他の品種に比べて淡白で、9月下旬~10月上旬にかけて出回る早生品種です。
●平核無
四角ばった形で、種がない渋柿の一種です。新潟の八珍、山形の庄内柿、佐渡のおけさ柿、核無など、各地で別名で呼ばれています。
●刀根早生
平核無よりも早い9月下旬~10月上旬にかけて出荷される、渋柿の品種です。ハウス栽培が導入されたため、7月から店頭で並ぶようになりました。
産地レポート
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現在栽培されている甘柿の品種は、次郎柿という品種です。JA遠州中央管内の森町に次郎柿の原木があり、静岡県指定の天然記念物になっています。森町は柿の産地で、皇室に献上もしています。管内で柿が栽培されているのは、森町と磐田市・敷地地区です。
●次郎柿の由来
「静岡県周智郡誌」によると、江戸末期の弘化年代に森町村の農家の松本治郎という人が、太田川の川原で柿の幼木を見つけ、これを持ち帰り自宅に植えたのが始まりです。
明治2年、付近から出火した火災により、柿の木が焼失してしまいましたが、再び根元より新しい芽を出し、それが成長して甘味豊かな実を結ぶようになりました。
町の人はこれを「次郎柿」と呼んで繁殖させました。今では甘柿の王様として各地に広まっています。次郎柿の原木は、昭和19年、県の天然記念物に指定され、大切に保存されています。明治41年、天皇・皇后両陛下に献上されて以来、毎年皇室に献上しています。
森町で柿の栽培が盛んになったのは、原産地であることはもちろんですが、太田川水系の地下水が豊富で、砂まじりの土地が次郎柿の栽培に適していることもあげられます。
森町柿部会では、平成20年から次郎柿発祥の地のPRとブランド化のため、名称を「治郎柿」として出荷しています。